映像を見ずに音だけでリスニングする


昔の話ですが、NHKの2ヶ国語放送を利用して、英語音声を聞きながらリスニングの練習をしていたことがあります。


主な話題は日本のものなので、映し出される映像はなじみのものが多いです。話される内容も国内で起こったことなのでわかりやすいと思います。


映像を見ながらNHKの英語ニュースを聞くと、なんだかわかった気になります。細かな部分はわからずとも、ニュースについて理解できてしまったと思ったものです。


あるとき、横になりながら目をつぶってNHKの2ヶ国語音声を聞いたことがありました。ちょうどその日は体が疲れていて、リスニングの練習であれば耳からだけで十分と思い、ごろんと横になって耳だけをテレビに向けていました。


しかし、そのときに限ってNHKの英語ニュースがあまり聞き取れず、何の話題なのだ?と起き上がってテレビ画面を見つめてしまいました。たまたまかと思い、しばらく同じように目をつぶって聞いて見たのですが、同じように断片的にしか理解できていないことに気が付きました。理解できていたと思っていたNHKのニュースが実はあまり聞き取れていなかったことに気がつき、愕然としたことを覚えていています。


原因を考えてみたのですが、どうも映像の力を借りすぎていたのではないかと思います。


耳から聞こえてくる英単語と映像から得られる情報とを使って勝手に内容を推測し、わかった気になっていたのです。たとえば、映し出される映像が政治の場面であれば、それだけで政治関連のお話だなと理解できてしまいます。


ここで政治の世界で話題になっている話題の単語が聞こえてくれば、「あぁ、あの話ね。」と勝手に話の筋を推測してしまいます。しかも、日本のニュースなので、新聞やラジオなどの日本語情報に触れていることもあるため、話の内容についての情報を事前に持っていれば、余計に話の内容を推測しやすくなります。


映像の情報量は多いため、耳だけで聞き取ったと思っても実は映像の影響を受けてしまっていることが考えられます。英語のリスニング力を鍛えたければ、映像に頼らずに耳だけを集中的に鍛えた方がいいなと思いました。


視覚情報と耳からの情報を使って総合的に判断することもあるのですが、たとえば電車や飛行機のアナウンスを聞く、ラジオ放送を聞く、というように耳だけで情報を得なければならない場面というのは日常生活でもかなり多くあります。耳から正しい情報を得るためには、映像に頼らずとも正確に聞き取る力をつけないといけないと思います。


逆に言うと、NHKの2ヶ国語放送で流れるニュースは、英語でニュースを聞きたいと思っている人にとって、CNNなどよりもずっとわかりやすい学習素材となるのではないかと思います。なじみのある映像や聞いたことのある内容を利用して、英語リスニングの勉強を進めるための良い環境を提供してくれると思います。ただ、ある程度慣れてきたら、映像を見るのをやめて耳だけでリスニングすることをお勧めします。



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