精聴〜丁寧にリスニングしよう




リスニングの仕方として、内容の大意をつかむ方法と細部まできっちり理解しながら進める方法があります。


リスニングの勉強をする場合、細部まできっちり理解しながら聞く「精聴」は、相手の話す内容をしっかりと理解する上で欠かせないステップになります。特に英語のリスニングが苦手という段階では、絶対にやってほしい練習方法です。この方法にじっくり取り組むことで、聞き取り力が大幅にアップし、聞き取れる箇所がだんだん増えていくようになります。



精聴の方法


精聴を行うためのステップは以下のようになります。


1.紙と鉛筆を用意する。
2.自分が聞きたいと思う英語音声を用意する。
3.1度目はざっと聞く。
4.2度目以降は聞き取った部分を紙に書き出していく。
  わからない部分は( )などで記入する。
5.もうこれ以上は聞き取れないと思うまで、何回も聞く。
6.スクリプト(英文テキスト)を参照し、答え合わせをする。



では、細かく見ていくことにしましょう。


まず、紙と鉛筆を用意するのは、自分が聞き取れた部分と聞き取れない部分をしっかりと意識するためです。聞き取れたところを紙に書き出していくと、自分が聞き取れていないところがはっきりします。また、一番最後にスクリプトを見て確認する際に、答えあわせが行いやすくなるというメリットもあります。


精聴するには、同じ内容を何回も聞くことになります。1つの内容について、細かいところの意味が理解できるくらいまで何回も繰り返し聞きます。1つ1つの英単語がしっかりと聞き取れ、文章となって聞こえるまで繰り返すことになります。わからない部分は、括弧などで空白にしておきます。CDやMP3などでリピート機能が使えるなら、聞き取れない部分を集中的に繰り返してみます。


紙に何も書き出せないと、自己嫌悪になってしまってせっかくの学習意欲がなくなってしまいます。初心者がいきなりCNNなどを聞き取ろうとしても難しいので、できるだけ自分のレベルにあった音声を用意してみましょう。お勧めは、自分のレベルよりも少し難しいかな、というものです。少し聞いてみて、なんとなく大意はつかめるが、ところどころわからない部分があるな、というものを選択してみると良いとおもいます。聞き取れた手ごたえを感じるとともに、少し歯ごたえのある部分を集中的に繰り返すことで、1つ上のレベルを目指すことができるようになると思います。


わからない部分が減って行き、もうこれ以上は聞き取ることができそうもないと思うまで、1つの内容についてリスニングを繰り返します。もうこれ以上はわからないところまで来たら、はじめてスクリプト(英文テキスト)を参照します。さきほど自分が紙に書き出した部分(聞き取った部分)が正しかったかどうかをまず確認します。


最初聞き取れなかった箇所が、何回も聞くことで聞き取れて、それが答えあわせをして正解しているととてもうれしいものです。なんだかすべての英語が聞き取れるんじゃないかと思える気がします。



そして、聞き取れなかった部分を確認します。このときに、聞き取れなかった原因は何だったかを意識しながら確認すると良いと思います。たとえば、その部分は簡単な単語でできたフレーズだったでしょうか?それとも知らない単語やイディオムだったでしょうか?聞いたこともない固有名詞だったでしょうか?英国訛りや非英語圏に特有の訛りだったでしょうか?


知っている単語でできたフレーズなのに、聞き取れなかった場合は発音の勉強になると思います。「こうやって言うんだ!」、と個々の単語の発音や正しい音のつながりが理解できるでしょう。


知らない単語やフレーズであれば覚えます。固有名詞であれば、調べることでその背景なども知るとよりしっかりと記憶に定着します。もし、ボキャブラリー不足の問題であれば、英単語やイディオムを増やすことも選択肢として浮上してくると思います。


訛りについてはなかなか難しいものがありますが、これは慣れるしかないかもしれませんね。


単に聞き流しているだけよりも、精聴することでリスニング力がレベルアップする時間が短縮すると思います。是非トライしてみてくださいね。



どんな英語音声を利用すればいい?


では、精聴を始めるにあたって、どんな英語音声を用意すれば良いでしょうか?ポイントは以下の4つです。


(1)話す速度は自分が理解できると思えるスピード
(2)英文スクリプトが必ずある
(3)日本語訳もあると良い
(4)できれば楽しい内容



(1)の話すスピードは重要です。初心者の場合はできるだけゆっくりなものを用意すると良いです。速すぎるといつまでたっても聞こえるようになりません。勉強も続かなくなってしまうので、なるべく自分にあう速度を選びましょう。


ゆっくり過ぎるくらいでもちょうど良いかもしれません。ゆっくりでも、聞こえる!という実感が大事です。慣れてきたらだんだん速くすれば良いだけですので、まずはあせらずゆっくりしたものから始めましょう。


逆に、中級者や上級者は聞き取れる速度よりも少し速めでもいいかもしれません。より上を目指していきましょう。


(2)の英文スクリプトは必須です。後で何と言っていたのかを確認するために必要になります。これがないと、聞きっぱなしで終わってしまいます。


(3)の日本語訳も初心者は必ず用意しましょう。英文があっても日本語訳がないと、どういう意味か分かりません。逆に中・上級者は自分で訳せることも多いので、必ずしも日本語訳は必要ではありません。


(4)のできれば楽しい内容というのは、勉強を続けていくためにあると良いです。英語を勉強していくうえで楽しさを取り入れるのは難しいこともありますが、楽しいと思える題材を選べると良いですね。




インターネット上の無料の英語音声を利用してみる


インターネット上には、英語学習用に様々なリスニング教材を利用することができます。多くのものは無料で利用できますので、コストをかけずに勉強することができます


このサイトでもいくつか紹介していますので、利用してみてくださいね。たとえば、Voice of Americaは初心者に優しいリスニング学習ができるのページで紹介している、VOA(Voice of America)は、非常にゆっくりした速度で英語を話してくれますので、聞き取りがしやすいです。もちろん、単語力が必要になりますが、それはリスニングの中であわせて身につけていけば良いと思います。


このVOAを題材として日本語訳もつけた英語学習用教材が販売されています。リスニング力とリーディング力が同時にアップする方法のページでも紹介していますので、是非ご参照していただければと思います。この教材は、VOAの記事で面白い内容のものを厳選してあり、話す速度もゆっくりで、なおかつリスニングの正しいやり方が身につくという素晴らしい内容です。


他にも、英語スクリプトを確認しながら無料リスニングBBC Newsでニュース英語の学習のページで紹介しているようなサイトでも非常にクオリティの高いリスニング勉強ができます。


以上紹介したサイトは内容も面白いものが多く、とてもレベルの高い勉強ができるのですが、弱点としては日本語訳がないというところです。海外のサイトなので当然なのですが、初心者にとっては少し敷居が高いかもしれません。これを補ってくれるのが、日本国内で売られている英語学習教材です。



日本語訳がある市販の学習教材を利用する


書店に行くと多くの英語の学習用書籍や教材が売られています。このような学習教材は、ほとんど日本語訳がついています。初心者向け、と書かれたようなものであれば話す速度もゆっくりで、とても安心して勉強できるのではないかと思います。


一度本屋さんに行って、実際にパラパラめくって興味が持てそうなものを購入してみると良いと思います。


ただ難点としては、いわゆる学習用書籍や教材というものは、ややお勉強的な内容が多いのも事実です。楽しく続けられるという点では、疑問符がつくかもしれません。そういう意味では、海外サイトで学習したり、下の洋楽の聞き取りの方が楽しく勉強できると思います。




洋楽の聞き取りや映画もおすすめ


以外に思うかもしれませんが、洋楽を聞き取って紙に書きだすという勉強法は、かなり効果があります。


洋楽だと普通に話す感じではなく、メロディーに言葉が乗っているので聞き取りにくい部分もあります。ただ、好きなアーティストの曲で英語が勉強できるので、非常に楽しく続けられます。


聞き取った英語の確認は歌詞カードを見ればよいですし、歌詞の中に出てきた知らない単語や表現を覚えてボキャブラリーを増やすこともできます。ビートルズで英語の勉強をする、というような書籍があるように、洋楽で英語の勉強をしている人はたくさんいます。


また、映画もおすすめです。洋画DVDで英会話とリスニングを学ぶのページでも紹介しているように、DVDの字幕スーパーを切り替えれば英語のスクリプトを確認することができます。何回も聞き取った後に、字幕を確認して内容を確認しましょう。


映画だと、リアルな会話表現を学べますし、お気に入りの映画があればとても楽しく続けられますね。セリフを覚えるのも早くなるというメリットがあります。


以上、いろいろ紹介してきましたが、自分にあう方法を見つけて試してみてくださいね。



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