英語発音に関する日本人特有の6つの訛りとは?


英語は世界中の人々に話されている言語で、国によって特徴的な訛りがあります。日本も例外ではありません。日本的な訛りというのが存在しています。日本訛りが強いとネイティブだけでなくノンネイティブで英語をしゃべる人にも、自分の伝えたいことが伝わらない可能性が高くなってしまいます。

まずは日本人に特徴的な英語の訛りにどのようなものがあるのかを知っておくと、矯正するのもやりやすいのではないかと思います。


カタカナ英語で話してしまう

多くの人が当てはまるのではないかと思います。意識してもなかなか変えることができないのがカタカナ英語の悩ましいところですよね。


わかりやすい例として英単語を紹介すると、「マクドナルド」や「ボランティア」などがあります。


マクドナルドは早口でそれらしく言ってもなかなか通じません。典型的な日本人発音と正しい発音をアップしますので聞き比べてみてくださいね。マクドナルドの発音がおかしくてネイティブに笑われ、翌日から面白いあだ名をつけられた日本人を私は知っています。発音のせいで楽しいはずの海外生活が台無しになるのは避けたいところです。

マクドナルドの発音





ボランティアというのは英語にもあります。和製英語ではありませんが、発音は日本語からかなり変わります。日本語でも使うからといってそのまま英語に持ち込むと、通じなくてショックを受けることになります。

ボランティアの発音




このような単語は、「バッテリー」、「マヨネーズ」、「マンハッタン」などなど他にもたくさんあります。日本語と同じだと思わずに、よく知っている単語でも、正確な発音を確認しておいた方が良いです。


文章レベルになると、カタカナ発音の影響がよく現れてしまいます。簡単な例文で確認してみましょう。

I think it is very important.(それってとっても大事だと思う。)

ネイティブ発音:




カタカナ発音:





どれも中学校で習う英単語ばかりでできた英文ですが、カタカナ発音とネイティブ発音とでは違いますよね。


巻き舌になる

英語ではRやLの音が頻繁に登場します。日本語にはこれらの音はありません。RやLは舌の動かし方に特徴があります。


このことを意識するあまり舌を巻いてしまい、おかしな音になってしまう日本人を見かけることがあります。


巻き舌になるとRなのかLなのか区別がつかなくなりません。なかには、RでもLでもないのに舌を巻いて発音してしまう人もいるようで、こうなると全く聞き取れなくなってしまいます。


巻き舌はカタカナ発音よりも通じなくなりますので、絶対に避けたいところです。



日本語にない音が出ていない

英語には日本語にはない音がいくつかあります。いろいろありますが、例をいくつか挙げてみると、

・SheとSeeの違いに見るサ行の音
・RとLの音
・THの音

などです。順番に見ていきましょう。


SheとSeeの違いによるサ行の音

She と Seeの違いですが、どちらも日本語で読むと「シー」です。日本語には「シ」の音は1つしかありません。しかし、英語ではSheとSeeは明確に違う音になります。音声を聞いてみてください。

She




See




違いますよね。
Sheはどちらかというと日本語のシーを少し濃くしたような感じ、Seeは澄んだ音で聞こえると思います。これらを区別して発音できるようにならないと、間違って伝わってしまう可能性が高くなってしまいます。


RとLの音

RもLも日本語のラ行に相当します。日本語ではラ行は1つの音しかありませんが、英語でははっきりと区別され、全く別の音になります。実際に聞いてみましょう。
わかりやすいように「Right」と「Light」の音で比較してみます。


Right




Light




これらは日本人が最も苦手とする音になると思います。特にRは難しく、日本語では考えられないような動きをします。上で書いたように、巻き舌発音の人を生み出してしまうのも、この音を作ろうと意識しすぎてしまうのが原因です。



THの音

THは舌を上下の前歯で軽くはさんで出す音です。日本語には全く存在しない音です。多くの人は「ス」や「ズ」で代用しています。しかし、これが曲者で、単語によっては発音が正しくないと全く違う意味の言葉にとらえられてしまう可能性があります。


たとえば、以下の例文で見てみましょう。「お風呂に入るね」という意味です。

I take a bath.




bathのthを日本語読みに「バス」と言ってしまうと、


I take a bus.(バスに乗るね)




という全然違う意味になってしまいます。



他にもあって、上のRとTHの複合技的な誤解も生じる可能性があります。たとえば、「earth」なんて最悪です。日本語読みすると「アース」となります。「地球」という意味ですが、何の違和感も感じませんよね。しかし、似たような単語で「arse」(尻の穴)という単語も日本語読みすると「アース」となります。カタカナ発音のアースはどちらかというと後者の音の方に間違われやすいです。これでは、真面目な会話をしているときに、誤解されかねません。


正しい発音を念のためにおさえておきましょう。

earth




arse




このように、正しい発音をしないために誤解が生じるということは往々にして起きる可能性が潜んでいるのです。


母音が残ってしまう

日本語は子音+母音という構成を持つ言語です。一方、英語はどうかというと母音+子音という構成になる言葉が多いです。


たとえば、beautiful(美しい)という単語で考えてみましょう。英語と日本語での発音を比較してみてください。


英語




日本語




いかがでしょうか?

英語は「ビューティフォゥ」という感じで最後の方が音が小さくなりますよね。それに対して日本語の方は「ビューティフル」と最後まで音が残りますね。これが母音が残るという意味です。


日本語ではこのように言葉の一つ一つをはっきりと発音します。これに慣れているため、英語のように子音が中心の言語を話そうとすると、母音が残って各単語をはっきりと発音するようになってしまいます。


単語レベルで母音が残ったままカタカナ発音をしていると、文章をしゃべったときに、次のような1つ1つの音がバラバラに聞こえてしまいます。


一つ一つの音がバラバラ

上記の「母音が残ってしまう」のところで解説したように、単語レベルで母音が残るようになると英文をしゃべったときにバラバラに聞こえるようになります。


実際に聞いてみましょう。話す例文は次のものです。

The bathroom is at the end of the hall.(トイレは廊下の突き当たりだよ。)


英語




日本語




どうでしょう?日本語訛りが残るということがお分かりいただけたでしょうか?



抑揚がない

最後の特徴としてあげられるのが、抑揚が少ないというものです。いわゆるイントネーション(アクセント)の問題です。


日本語も独特のイントネーションがありますが、英語のそれとは異なります。日本語のイントネーションをそのまま英語に持ち込むと、抑揚が少なく聞こえてしまいます。結果として、英語っぽくないという結果になってしまいます。



日本人特有の発音の癖が直る教材

以上で説明した日本人特有の訛りを直す教材というのが販売されています。日本人訛りに対して深い理解を持ったアメリカ人が講師となっている教材です。ネイティブのような精緻さが求められるハリウッド映画などに出演する日本人を指導して、その発音をネイティブかと思われるくらいのレベルに引き上げた実績がある方です。ほかにもたくさんの日本人の発音を矯正しています。

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